Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第7章 夜か昼かじぞサマかテッポウか石か1
「ショウひめしゃま おにごっこしませんか?」
(雅若様…… 幼いながらも、周りの大人達の様子を見て何かを感じておられるのよね ……場の空気を変えようとなさったのかしら?)
「鬼ごっこ。良いですね! 和也様、智殿、潤兄上も一緒に鬼ごっこいたしましょう」
「はい!」
嫌がることなく同意して下さった、和也様。智殿。潤兄上様。
「ショウひめしゃま なじゅなも」
「そうね。大人数の方が楽しいですし。なずなも呼びましょう」
屋根裏部屋の下の階の部屋にて、控えていたなずなを呼び。
「良いですか? 夜は、動いてもいいけど静かに動くのですよ? 昼は、大声出して逃げてもいいの。地蔵サマは、ジットして動いちゃダメですからね? テッポウは、地蔵様と同じで動いちゃだめなの。目隠しした鬼がテッポウをウつ真似をして。当たった人が次の鬼ですよ。石はねコロコロ転がって逃げるんです。石なのに、なぜか、くすくす笑うのは良くて。コロコロって言ってにげましょうね。みなで『夜か、昼か、地蔵様か、鉄砲か、石か?』って節を付けて歌うの。例えば、鬼が『昼』って言ってから、10数えてる間に、他の者は騒ぎながら逃げるの。鬼が誰か一人捕まえたら鬼は交代になるのよ……雅若様分かりましたか?」
「わかりました! ショウひめしゃま!」
*「夜か昼かじぞサマかテッポウか石か…… 懐かしいですね。翔禾姫様《姫》
そう言われた、和也様と潤兄上様。
そう…… 雅若様のお生まれになる前までは、子供達だけで屋根裏部屋に隠れて集まって、遊んだりしていたの。人数が少ないから気心の知れた侍女達に入ってもらって遊んでいたの。
*『夜か昼かじぞサマかテッポウか石か』
幼い頃、母方の従兄弟達と、遊んだ鬼ごっこです。