第6章 わたしがまもります

屋根裏部屋

「それぞれの家臣達の思惑と心を同じくして…… と見せ掛けて…… 仲のよろしい和也様…… 潤兄上。二人の相談相手の智殿と、話をする事から始めましょうかね……と思いまして。雅若様の事について相談したい事もありますし皆様に来て頂いたのです」

「怖っ……」

　失礼にも私の言葉にそう返されてきた、和也様、智殿に、潤兄上様。

「コホン、そうか立つ事にしたのだな……翔禾姫」

潤兄上様……わざとらしく咳払いしなくても……

「その為に、潤兄上様は辛き想いをなさるかも…… なのですが……」

「構わぬ翔禾姫。ほぼ確信してる故。私を当主にと望む気持ちは嬉しいが…… その為にあり得ない事を致したのだ。母上の周りの家臣達を許す訳には……」

潤兄上様も

「和也様も……あの……」

「分かっております。私の父は、翔禾姫様の父上の弟。本来ならば兄を助け、翔禾姫様を当主にと手助けするのが筋……それなのに……」

和也様も

「悲しいですね…… 家の事で皆が点でバラバラな事を主張して争う等…… 私は雅若様には、天真爛漫なまま育って欲しいのです。将来どの様な形になるか分かりませんが…… 雅若様の苗字ですが、今、父上の実家の二宮を名乗っておられます。けど……」

　言葉に詰まってしまった私に。

「立場上、言いづらいですよね？ 翔禾姫。二宮家の跡を継がれた和也殿の父上の苗字だ。櫻井家、松本家との確執に巻き込みたくも無い。三家の争いとは別に苗字を新たに与えてあげたい…… そうですよね？」

智殿も

「はい。智殿…… 父上は、二宮の家とは関係無いと。二心は無い。と証明する為に相葉《あいば》の苗字を名乗る事に致しました。事が落ち着くま雅若様には相葉の苗字を名乗って頂こうと思うのです。もちろん、雅若様が櫻井家を継ぐ事もあります」

「それで良いです。翔禾姫様(姫)」

　異を唱える事もせず、いつでも心強い言葉をくれる和也様。智殿。潤兄上。


「なかないで…… ショウひめしゃま…… わたしが ショウひめしゃまを いじめるやつをやっつけます」

「雅若様…… 私は大切な雅若様を守りたいと…… 私が雅若様に守られていたのですね……」

　小さな小さな雅若様にも守られている。幸せな私。

　長く続く因縁を断ち切らねば……