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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第50章  密談


-屋根裏部屋-


「今、翔禾姫と雅若は殿様と合っているんだよな?」

潤の問いかけに。


「はい。殿様の居室にて。詰所にはなずなが控えております」

和也が答えた。

「問題はお二人の行動力ですよね?」


渋面にて問いかけた智の言葉に。和也と潤も渋面で頷くと。


「話し合う前に下の階に移動しよう。屋根裏部屋は守り堅固ではあるが、ほとんど外の音や様子が分からなくなるからな」


「そうですね」

「はい」

そこで、三人は階下(天守閣最上階)に移動すると。床に座り。



「ここは、たどり着くまでに急階段やら大変なはずだが、若の執念か?たどり着いたしな」

「はい。翔禾姫様も……深窓の令嬢らしからぬ……体術やら。もろもろを習得されてますからね……」

「更に上の、屋根裏部屋に行く隠し扉をも開けてたどり着く事も出来ますしね。翔禾姫も雅若も」

三人は思わず、ため息を吐《つ》いてしまう。

「和也の父の勇と、智の父の基史の護身術は翔禾姫と雅若を助けてくれるだろうがな……実践させたくはないのに……」


「潤様……翔禾姫様は縄抜けも出来ます。例え屋根裏部屋にて縛られ、捕らえられても自力で。雅若様の縄を解いて脱出する事は可能です」

「屋根裏部屋も、天守閣も。翔禾姫と雅若にとっては、遊び場。勝手知ったるですしね」


「しかし……見張りはいるだろうし。そう簡単には……この場所でなら翔禾姫と雅若が一番安全に助かる可能性が高いというだけで……」


和也は。

(なずなが、翔禾姫様と雅若様を救おうと。無茶するやもしれぬ……)

それも危惧していた。 当然の事。潤がなずなの取りそうな行動を想像してない訳なく…… 心配している潤に『 この事態も、想定せねばなりませんね』など口が裂けても言えないと思った。

智にも、懸念している事があった。


「翔禾姫と、雅若にとって比較的安全な場所であって。我々からしたら。お傍近くに居ない場合は、一番助けるには遠い所ですね。屋根裏部屋は」

(必ず、なずな殿が一緒とは限らない……)




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