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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第49章 せつない恋に気づいて……


 仲良く手を繋ぎ、翔禾姫と雅若は、鈴となずなを屋根裏部屋に残して階下へ降りていってしまい……


 残された和也と智は……慌てて二人を追って階下の自室へ。戻る前に……翔禾姫と雅若が連れだって翔禾姫の部屋に入って行ったのを見送ると。

 何となく、その場から立ち去りがたい和也と智。

「少し……話しでもしますか? 智殿?」

「そうですね。和也様……」

 翔禾姫と雅若の居間空間の真ん中に、持女達の詰所がある(潤、爽、純梨の方の部屋の隣にも詰所が、ある)。

 日中、交代にて見張りをし、夜は宿直の者が主に使用する部屋。

 翔禾姫の部屋の左側には、和也の使用する部屋がある。

 翔禾姫が、日中居間で過ごしている時に控え。父の勇、智や潤と簡単な報告なら交わし。

(有事《あってはならぬが》に備え……夜間も控えさせて頂こう……)

 と、宿直をしたり。(家臣達の屋敷の建つ敷地に、もちろん二宮家もあるのだが……)


 そこにて、和也と智は顔を付き合わせていると。


『ショウひめしゃま? いっしょに ねて よいで……しゅ……すか?』

 そう、翔禾姫に甘えている雅若の声が。


 雅若は、勉学に関しては頭も良く覚えも良い。しかし、少し小さな体格。体力の面でも風邪を引きやすく。言葉も少し……特に『さしすせそ』の『し』の発音が苦手であった。


 雅若本人も、きちんとした発音に言い直したり、努力し。翔禾姫と潤が共に練習したり。和也と智も気を付けている(時に注意申し上げる)為、ほぼ治っている。

(ただし。翔禾姫やなずなに甘えたい時は、意図的に使っている節あり)


『良いですよ。一緒に休みましょうね。雅若様』

 満面の笑みで、答えているだろう翔禾姫の声も聞こえる。





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