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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第46章  若君の涙



-雅若の部屋-

翔禾姫達が屋根裏部屋に集まっている頃


「なじゅな」


「はい。どうなさいました?雅若様?」

雅若の部屋にて、雅若と手遊びや、話をしながら過ごしていたなずなは、普段の甘えん坊な感じではなく、真剣な瞳と、声音の雅若の様子にハッとすると。


(きちんと、雅若様のお伝えしたき事を汲み取り。お答えせねば……雅若様は、色々と理解されておられる方ですもの……)

「なじゅな わたしが 小さいから はなしに いれてもらえないのか?」

ポロリと涙を右目より落としながら、そう言った雅若になずなは、ギュっと胸が締め付けられて


雅若は、生まれし時より、人の心の機微に聡く。知らない人が傍にいたり、初めての場所に行った際には、人見知り、場所見知りをし、大泣きするような子供であった。三歳過ぎてようやく言葉を話せるように……

外喜など、一部の家臣は、そこの所を……突いてきたりするが……

翔禾姫初め。爽に、潤、純梨の方。櫻井家の人間も。 和也に。智。なずなだって。雅若は、周りの状況を敏感に察知する聡い子供であるからこそ。なのだと……

その、察知能力は翔禾姫も長けている。と皆思っていた。


(雅若様……)
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