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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第45章 謎


「なぜ? 櫻井家に関わったばかりに、こずえ様を亡くされたのに智殿は。和也様も。外喜殿の暴走止めるでもなく時折、私的な事を 優先し、城を出て行く……と。 噂されているお父上様なのに……櫻井家を見捨てる事なく、仕えて下さるのですか?」


「それは……」

 潤は、 言葉を飲み込んだ。


 それは、和也も、智も。翔禾姫を 大切に思っているから……守る為に傍いるのではないか……と。

 そう思って和也と智を見れば、 分かりやすく頬を染めている。


 それにもう一つ 。


「翔禾姫は何も悪くはないのだぞ? 雅若も。 だから我々は守るのだ」

「潤兄上様……」

 翔禾姫は 嬉しくて涙が溢れた。

「潤兄上も 悪くはありませんね。 この所、潤兄上様が お力を付けけて来た事に外喜殿が 危機感を抱いておられるのが分かります。私は、潤兄上と雅若に何かしかけて来ないように……と…… 守る為に立ち上がる事にしたのです」

 翔禾姫の強い決意。


「あのもう一つ……智殿のお父上は、庭師よね。『跡継ぎとして、私に弟子入りしました。せがれの智です』と紹介されたはずなのに。絵師なのは?」


「しばらくして、父は、体調を崩して登城を控えるようになりました。大野家にやましき事がある外喜は、父が登城しなくなり、安心したはずです。自然と、庭師の皆は、私を大野家の遠い親戚の子供として扱ってくれて。外喜に目を付けられないようにしてくれて。それは、他の家臣達や持女達も。おかげで、私は動き易くなりました。外喜は私を翔禾姫の遊び相手との認識しかないかと。絵師なのは、絵師に付いて1日修行した際に、絵の魅力に取り付かれたからです。そこから絵師になる本格修行を始めた。と云うわけです」


「そうなのですね……」

一瞬の間の後。

「翔禾姫様が、 おっしゃられた殿様の動きですが。私には、何か意味があってされている事のように思います。それから、智殿が私と潤様を『お小さい時から翔禾姫と遊ぶ仲だったのだな…… 私は…… 雅若のお生まれになった頃、本格的に櫻井家に仕える事になったからな』と、羨ましい。と言われ時、記憶を失くされていたとは分からず、その言葉を余り深く捉えなかった事をお許し下さい」


 それまで 。黙って皆の話を聞いていた和也が口を開いた……











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