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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第45章 謎


  現在


 -屋根裏部屋-

 屋根裏部屋には、翔禾姫の泣き声が、悲しく響き渡っていた。

 翔禾姫の心情を想うと、和也、智、潤も。悲しくて…… 苦しくて……切なくて……

 三人も、止まらぬ涙を流し続けていた……


「智殿……こずえ様の事…… 本当に申し訳ありませんでした」

 ふいに、口を開いた翔禾姫の言葉に、和也、智、潤。 それぞれが、こずえの事を思い、胸が押しつぶされそうになった。

「お父上様の母の……お母上様の乳母であり、私をこれまで、慈しみ愛して下さった、祖母の早月が『 ようやく……翔菜姫様の無念を晴らす時が来たのですね……』 そうつぶやいて教えて下さったのです。こずえ様は…… 騒ぎの中、気が付いた時には……」


『可哀相に……外喜殿に純梨の方に、嘘の伝言を 伝えるようにと、 命じられただけなのです。何も罪の無い子が…… 責任を取らねばと考えたのでしょうね…… 殿が部屋の中の状況を、確認した際にすでに…… お茶を飲み事切れていたと……』


 早月より聞きし、悲しいこずえの最後……


 この悲しき事件は、和也は父の勇に。智も父の基史より。潤は母の純梨の方より、聞いていた。


 その事で嘆き悲しむ翔禾姫の姿を見るのが、三人は辛らかった。


「翔禾姫…… 私は腑に落ちた事があるのですが……翔禾姫が、私の襖に絵を描く姿などを見ながら、時折じっと背中を見つめておられたのは…… 私が幼き頃も、城に登城していたのに。記憶を失っていたから……ですね?」

 突然そんな事を話し出した智に 、翔禾姫は面食らいながらも。


「 そうですね。 回数が少なかったかもしれませんが 。逢うたびに遊んだり剣術の稽古をしたりしたのにと…… 六年前に、姿を見なくなって…… 再び登城して来た時には『 初めましてと』 挨拶をしたものですから……こずえ様の事があったからだと。 私も……今は、腑に落ちたのです」


「父に、 悲しみのあまり一週間、熱を出して寝込んで。 回復した時には忘れていたから。 無理に思い出させる必要も無い。と黙っていたと聞きました。 目を背けていた…… 父の嘆き悲しむ姿を見ている内に……私は逃げていられないと。 一年後に、真相を知る決意をしたのです」













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