Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第43章 もう終わりにしましょう
「もういい……終わりにしましょう。外喜殿。 ここまでの事をした……いえ、する。のだから…… 貴方は、貴方の抱き続けているものを、 覚悟を持って遂行する自信がおありなのでしょう……」
瞬間、 目を輝かせた外喜。
「潤様を、助けてを……盛り立てて行くが良い!」
「フ、アッハハッハッハ!」
(私も、またまだね。 勝ち誇った笑いが鼻に付くわ)
「私だけで良いであろう? 雅若は、まだ、あんこや、お茶などは召し上がらぬゆえ! 宜しいかっ?」
翔菜の方は、外喜を睨み付けずにはいられなかった……
様々な事を悟ってしまった。こずえ……
そんな、こずえの気持ちなど外喜が慮るはずもなく……
茶を立てるでもなく、固まったままのこずえを 睨み付けてから、 自ら茶を立て、大福をの方の前に置くと。
「 それは失礼致しましたね」
ニヤリと笑う外喜……
「にゃぁ」
翔菜の方の大きな声に 驚いたのだろうか? 雅若は、小さく声をあげると。
「ん、ぎゃぁ」
次の瞬間、火が付いたように泣き出して……
( 母を許して……ずっと守り。傍で成長を見ていたかった……)
「翔禾姫と、雅若は、潤様を助けて行く事でしょう。外喜殿、子供達には罪はありませぬ! 子供にだけは……手を掛けぬと約束して頂だけますか?」
「約束しよう」
(本当にどこまでも、尊大で 愚かな男……)
目の前の男を、哀れに思いながらも
茶碗を手にした翔菜の方……
(一言……爽と話がしたい…… 口にする量を少なめにしたなら……)
爽と話をする事が叶うかもしれない……
(この後に及んで、こんな事を思うなど……馬鹿みたい……)
自嘲気味に微笑むと翔菜の方は……
-ガラっ-
「翔菜様っ、翔菜姫様っ」
(爽……?)
薄れていく意識……
(来てくれたのですね……爽……翔禾姫……雅若……愛しています)
両頬の涙……スッっと流れて……
翔菜の方は、静かに目を閉じた……