Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第40章 若君誕生!
一方、純梨の方も。
日々の、剣術《模造刀、木刀》や、体術。勉学を、二宮勇より、勇の息子の和也と共に学び、勤しみ。親想いで心優しき、十一歳になった潤が、逞しく成長していて幸せであった。
最近、お針子として城に奉公にあがった。庭師の、大野基史の娘で、智の姉。十六歳の、こずえ。を気に入り。自身の身の回りの世話を任せたい。と持女として迎えたのだが。
(娘が出来たみたい)
と。幸せに穏やかに過ごしていた。
──
十歳の和也は、爽の弟の勇の息子であり、翔禾姫の従兄。警護の為の鍛練を。勇は教えている。そして、潤にも平等に。
翔菜の方に近しい人物でありながら、自分達親子をも気遣ってくれて。女の身では剣術など、潤に教える事は困難である為、感謝しかない純梨の方であった。
十一歳の智は、父の基史に付いて時折城に上がり、稽古や勉学に励んでいた。
ちなみに、翔禾姫は、縫い物や、お茶、お花の作法より。
「私にも、けんじゅつを教えて下さいませ」
身体を動かす方が、好きなのだった。
──-
そんな日々の中……
師走の二十四日
櫻井家に……
「殿様! 無事お生まれになりました! 若君様にございます!」
若君誕生!
「翔菜の方は、無事ですか? 母上?」
「はい……」
翔菜姫の乳母である、母。早月《さつき》の少し涙ぐんだ笑顔に。
爽は、安堵して……
「翔菜様……ありがとう。お疲れ様でした……」
「爽……翔禾姫は?」
「 『もう少し、雅《まさ》若が、落ち着いてから会いましょうね』 そう言ったら、口を尖らせてましたけどね(笑)。 弟の誕生をすごく喜んでましたよ」
「ふふ。名前は まさ ですの?」
「ええ」
-三日後-
「雅若さま! 姉さまですよ。翔禾よ。よろしくね!」
幸せそうに、可愛らしく。生まれたばかりの弟に声をかける翔禾姫に。
その時、その場にいた者達は、皆笑顔で。
和智翔ノ国の未来は明るい! と喜びあったのだった……