Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第40章 若君誕生!
幸せの時……
櫻井家は笑顔に満ち溢れていた。
翔禾姫は、うずくまる体勢にて、翔菜の方の膨らんだお腹に右耳を押し宛てて。
「お母上さま! トン、トンって」
早く逢いたくてたまらない。弟か妹。
(お母上さまのお腹を蹴っているの? )
「ふふ、早く逢いたいよ。って、蹴っているのかしらね?」
翔菜の方が答えると。
「痛くないのですか?」
身体を起こして、心配そうに気遣ってくれる翔禾姫。
卵型の顔の形。二重の瞳に、鼻筋の通った、鼻先が少し丸っこい可愛いい鼻。下唇がぷくりと厚く。眉尻の少し上がった眉。形の良い耳。整った顔立ちの翔禾姫。
腰の当たりまで伸ばした、髪の毛は、生まれつき色素薄く、赤みがかった茶髪。
頭の上の方で、一まとめに束ねて、毎日色とりどりの紐にて結わい付けている。
今日は、紅い紐で結い上げていて愛らしい。
そんな、翔禾姫を愛しそうに見つめる翔菜の方と、爽は幸せで。
「どれ。私も挨拶しようか」
「まあ、お父上さまったら!」
クスっ
翔禾姫の面白い言い回しに翔菜の方は、思わず笑いながら爽の重みを受け止めでいたのだが……
「全然、音しないぞ? 父上だぞ!」
「ふふ、眠ったようですね」
翔菜の方は笑いながら、泣きたくなる位の幸福で満されていた。