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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第39章 守るべき家族の為に……


五年半後 *卯月《うづき》

翔菜の方の部屋-

「純梨の方様、お呼び立てして申し訳ありません」

「いえ……」

「殿が、数日前より体調を崩されて、床に臥せっておりますの」

 翔菜の方は、自ら立てたお茶を純梨の方に 差し出すと。

「と、殿様はどうなされたのですか? どこがお悪いのですか?」


 瞬間、翔菜の方は、 相手を探るような問い掛けをしたのを恥じた。純梨の方は 関わってはいないのだと確信し。安堵して。

「殿が、一月程前に外喜殿に『商人より 買付けたお茶』を頂いたのです。 身内の者達に相談した所、飲まない方が良いと…… 数日前今度は『 相談したき義がある』との事で『 心配ないと』 仰せられて…… お茶を出された際に飲んでしまわれたのです」

「そんな……」

「 頂いたお茶を薬師に確認させた所、ほんの微量の…… しかし毎日飲み続ければ体調を崩してしまわれるだろうから、決して飲まないように。と言われていたのですが」

「叔父上は、お茶に? ……」


 あまりの衝撃に純梨の方は震えている。

「ごめんなさいね 。貴女を責めているのではないのです。 貴女も松本家も関わりないと分かっていますから。 殿は、外喜殿の野心には決して屈しったりはしない! ……との思いから。 万が一の事を考えて薬師が処方してくれていた中和剤、利尿剤などを服用してから外喜殿の所に行きましたから。 やはりお茶の匂いが……封を開けた時に匂った、薬の香りがしたから。一口。口に含んだだけにしたそうです。ですから、体調崩した。というよりも。家臣を最後まで信じたい。という思いが打ち砕かれた事に…… 精神的に参ってしまって体調崩されたのではないか? と言う薬師の話でした」


「 翔菜の方様、本当に申し訳ございません。叔父が……」

(怒るべきは外喜殿……己れの感情を……純梨の方にぶつけてはならぬ……)

*
卯月《四月》
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