Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第38章 主君を守りし者達
桜城内 庭の一角にて
「外喜殿の動きに気を付けて行かねばなるまいよ……」
潤様の、後見として力を増しつつある純梨の方の叔父の外喜。
「基史殿は、秘密裏に外喜殿の動きを探って」
「勇殿は、表で櫻井家の方々をお守りする」
「今まで以上に心して……まぁ、発言力を増しているとはいえ、外喜殿の強引さに、人が付いていってないのが救いですよね」
庭師である基史は、自分より六つも若い青年の利発さに、感心していた。
内と、外から櫻井家を守る仲間として、心強い……己の方が年上なのだからもっと頑張らねばな。そう、考えていた基史に。
「翔菜様の才覚と、爽兄上の人柄に家臣はまとまり。翔希様に伯父の陽は、家督をゆずられても楽隠居せずに、若夫婦を支えていて。二宮家の事は、祖父が私の代わりにして下さっている」
「一枚岩の結束の櫻井家と、二宮家を崩そうと、外喜殿は、勇殿を見方に付けようしてますね」
「時に、相手の懐に入って考えを探ったり。外喜殿の動きを 食い止めるのに精一杯で……基史殿の。大野家の、外から支えて下さる。その力に助けられているのですよ」
勇は勇で、いつも物静かな基史を。確実な仕事をこなす基史を頼りにし、尊敬していたのである。
「松本家に嫁がれた、翔希様のお妹の、純恋《すみれ》様と、瑠喜《るき》殿が。娘である側室の純梨の立場を考えて外喜の働きかけには、応じずいて下さるから助かる」
勇と基史は、外喜の野心に決して屈するまい。と心新たにし。櫻井家を守る為に、最善を尽くし頑張って行こうと誓い合ったのである。