Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第35章 翔菜姫と純梨姫2
「 翔菜の方は、貴女にそんな深き想いを打ち明けたのですか……」
純梨の方は、嫁いで来て、初めて爽が部屋に渡って来た時に、翔菜の方と話した事を打ち明けた。
爽は、二人の女性の覚悟の深さに、己もきちんと答えねばと思った。
「私は、櫻井の苗字となりましたが、 お子を授かった際は、松本の苗字を名乗らせ等ございます」
また、 純梨の方の、翔菜の方を立てる姿勢を好ましく感じた。
( 純梨姫と、仲良くやれそうだ)
翔菜姫と、同じように純梨姫の事も大切にしようと決めたのだった。
──
そして、純梨方は懐妊。 十ヵ月後の葉月の三十日に、潤が誕生したのである。