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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第34章 翔菜姫と純梨姫1


 一方。純梨姫も心底驚いていた。

翔菜姫の、周りの者達が言うように、まだ婚姻して一年ではないか。率直にそう思ったけれど。

 女として気持ちが分かり過ぎるほど分かるから。 年に二度 程会う中で、相手の爽との仲の良さも分かり過ぎるほど分かっている。


 純梨姫は、 己の役割を考えてみた。

「 翔菜姫様。 私も子供必ず見るという確証はありません。 また翔菜姫様が、お子様をお生みになる可能性もあります。私が子供を生んだ場合を前提として話させてを頂きます。子供が男子であったなら、家臣として櫻井家を支える為の教育をいたします。女の子であったなら…… 翔菜姫様に女の子お子様がお生まれになっていた場合は…… 補佐的な役割を担わせて頂きます。あの……」

「 純梨姫様、混乱させて、深く考えさせてごめんなさいね。 そして 深く考えて下さってありがとう。櫻井家の将来の為に…… 血を受け継ぐ者達を絶やさない為に決めた事なんです。 事は単純ではありませんね。あらゆる場合を想定して考えて行かねばならぬ事ですもの。 跡継ぎを女性だけ。と限定してしまえば 、いつか家が絶えるような事が起こるかもしれませんし。 様々な事一緒に考えながら、櫻井家の為、和智翔ノ国の為にお力をお貸し願えませんか?」


翔菜姫は凛として伝えたかった。

 しかし、涙が溢れるのを堪える事は出来なかった。

 純梨姫も冷静に話を聞きたかった。

 しかし、涙が溢れるのを堪える事は出来なかった。



「櫻井家を支える為。和智翔ノ国の為に……私の持てる力を出して頑張らせて頂きとうございます」


 こうして純梨姫は、神無月に爽の側室となった。

 



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