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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第30章 生涯を共にして下さいませんか?2


「翔菜姫様。 私は幼き頃より翔菜姫様をお慕いして参りました。翔菜姫様。この、爽と生涯を共にして下さいませんか?」

 爽はもう一度、ゆっくりハッキリと想いを伝える。

「え? で、でもっ」

翔菜姫が激しく動揺している姿……いつも凛としている翔菜姫……いや、櫻井家を背負う者として凛としていなければ……と

(自分を律しておられる翔菜姫様……私にはもっと素を見せて下さいませ……)

 それより、己の言葉に動揺している翔菜姫様を早く落ち着かせて差し上げねばと、爽は。

「翔菜姫様? 我が二宮家には、男子は私一人ではありませんよ? 弟の勇が継ぐ事が決まっておりますゆえ心配ないのですよ?」


(なぜ私の想いが分かるの……)

 いつだって。自分の想いを言わぬようにと。言葉を飲み込んでしまう私の気持ちを分かってくれる爽……

「 私を……櫻井家の……和智翔ノ国を治める者としてより、櫻井翔菜。として見て下さっているという事ですか?」

「はい。翔菜姫様が他の殿方に嫁がれるなど。耐えられぬと思いました…… 幼き頃よりお慕いしておりました。翔菜姫様」

 瞬間、翔菜姫は大号泣した。爽は遠慮がちに翔菜姫の華奢な身体を抱きしめて。

「翔菜姫様愛しています。幸せに致します。共に助け合いながら和智翔ノ国を。櫻井家の為尽力して行きましょう」

「 爽…… 爽……」


翔菜姫は、その瞬間、一人の人間として幸せだった。

櫻井家の翔菜姫ではなく。……和智翔ノ国を治める櫻井翔菜でもない。

翔菜個人を『愛しています。幸せに致します』と誓ってくれた。二宮爽に愛されている……


「私も、爽を…愛しています。幸せに致……します。共に助け……合いながら、和智…翔ノ国を。櫻井家の……為、尽力して行きましょう……」

 涙の誓い。爽も泣いていた。

翔菜姫を生涯愛し守り抜く。と誓った。
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