Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第102章 妻として、母として。領主として
睦月の二十五日。
「 翔禾姫様誕生日おめでとうございます 。私は幸せな男です。翔禾姫様。私が生まれた 十八年と七か月前、翔禾姫様がお生まれになる七か月前にですよ『和智翔ノ国』から『和』の字を賜り。それだけでも恐れ多く、幸せな事だったのに。お慕いする翔禾姫様と夫婦となり息子を授かった。 今でも夢の中にいるようです」
「 翔禾姫、誕生日おめでとうございます 。私も幸せな男です。翔禾姫。私が生まれた 十九年と二か月前、翔禾姫がお生まれになる一年も前にです『和智翔ノ国』から『智』の字を 賜り。それだけでも恐れ多く。幸せな事だったのに。お慕いする翔禾姫と夫婦となり娘を授かった。 今でも夢の中にいるようです」
「お母上様とお父上様が婚姻された時、和也様と智殿のご両親様、ご親戚様。二宮家と大野家の皆様に『この先、翔菜姫と爽にお子が産まれたら……和也殿と智殿に支えて頂きたいの』とおばば様とおじじ様がね、おっしゃられたそうよ『恐れ多すぎます』と恐縮されたそうだけど『両親が望んだ以上に。翔禾姫と雅若だけで無く、私とお父上も。家族ごと支えて貰ったわ。いくら感謝しても、したり無い位に』と、お母上様がね、涙されたの。お父上様は頷いていらしたわ……」
「翔禾姫様……」
「翔禾姫……」
感極まって、声を詰まらせた私に和也様と智殿が心配そうに呟いて。
「ごめんなさい。大丈夫よ。それだけ二宮家と大野家の皆様を頼りにしていたのよ。櫻井家は。 間違いなく、今日(こんにち)の幸せな毎日あるは。二宮家の皆様と大野家の皆様。そして……和也様と智殿が幼き時より守り抜き愛してくれたからです。ありがとう。この先 一生涯 、ずっと一緒にいて下さいね」
「はい。お約束いたします 。翔禾姫様。一生涯ずっと愛し、お守り致します」
「はい。お約束いたします 。翔禾姫。一生涯ずっと愛し、お守り致します」
「「うにゃ、ぎゃぁ!」」
二人仲良く揃って泣き出した、翔和若(とわわか)と智璃菜姫(さりなひめ)。
慌てて智殿は智璃菜姫を。和也様は翔和若をあやし出して……
幸せだけど一つ不満があるとすれば……