Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第102章 妻として、母として。領主として
こうして月日は流れ……一年後。
情熱と愛ある統治に和智翔の国の民に愛される領主夫妻となった、潤兄上様となずなに。
皐月《さつき》の五日に。
若君の 潤那《まさな》が誕生したの。
潤兄上様の、潤になずなの"な"を漢字にして。潤那。
潤那 《まなわか》と呼ばれ愛されし。若君。
その一年後の 。
文月《ふみつき》の七日に。(文月七日はなずなの誕生日)
姫君の瑠璃禾《るりか》が誕生。
瑠璃禾姫の『禾』の字は、 私から一字取って名付けてくれたの。
『 「将来どのような形になるか分からないが……兄か妹、 どちらの国を治めると決めるのではなく。兄妹で力を合わせて、和智翔ノ国を統治して行く…… その形もありだと思うのだ」そう、潤様は話されておりますの』
なずなが島に遊びに来た時に、そう話してくれたの。
瑠璃ノ島では…… 11年の後、雅若様は瑠璃ちゃまと婚姻し。
一年後。
睦月《むつき》の一日に。
泉紗《いさ》
泉紗君が誕生し。
三年後の。
弥生《やよい》の三日に。 (弥生の三日は瑠璃ちゃまの誕生日)
茉璃《まり》
茉璃姫が誕生したの。
雅若様と瑠璃ちゃまは、私と和也様と智殿を支えてくれて。年を重ねる毎に力強く、頼りがいのある補役に成長していって。
私も雅若様に。
『 私達姉弟も 一緒に、瑠璃ノ島を統治しませんか?』
そう言ったのだけれど。
『私は、 表舞台で 動くよりも。裏で、翔禾姉上様を支える方が性に合ってますゆえ』
断られてしまったわ。