• テキストサイズ

Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第99章 翔禾姫となずな


「翔禾姫様と雅若様のお心が壊れて。 いつか倒れてしまわれるのではないかと心配でした。お二方共、 お互いを想い、守る為に。お饅頭の大きい方を食べようとなさっていましたよね? もしすり替わっていなかったら……どうなっていた事か…… お気持ちは分かります。でも悲しむ人間がいるという事をお忘れにならないで下さい」


 あの時の、翔禾姫様と雅若様の覚悟を思えばこんな事言ってはならないのに……


「その言葉をそっくり返すわ。外喜の手の者に背負い投げをし掛けるなんて。けど、私と雅若様の所に来ようとしてくれたのよね。ありがとう。なずなも悲しむ人間がいるという事を忘れないで」


そう言われると、私を抱きしめて下さった翔禾姫様。小さく嗚咽をもらしておられて。恐れ多いけれども、私も翔禾姫様のお背中に手を回して。私も泣いてしまって。


「ショウひめ さまも なずなも たいせつなひとです。ムリしてけがしたら、ジュンにいさまも カズナリも サトシも かなしみます。わたしも」


雅若様……


「雅若様こそ……雅若様に何かあったら……私は……瑠璃様という大切な方がお出来になられたのですから……」


私は、雅若様と瑠璃様も抱きしめさせて頂いて。ご自分を大切になさって下さい。 そうお伝えしたかったのに涙が溢れて……


「ごめんなさい。なずな。じぶんも たいせつにする。そうでしょ?」


「はい。雅若様」


「そうね。潤兄上様となずな。雅若様と瑠璃ちゃま。和也様と智殿と私。大切な人の為にも、相手の悲しむ事をしてはならないのよね」


和智翔ノ国に帰る前に、翔禾姫様と雅若様と話をさせて頂けて良かった……


一気に何でも完璧にやろうとしないで、少しずつ。自分の出来る事から。行って。増やしていって。不安や、分からない事は潤様に相談して。


それで良いのよね。
/ 188ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp