Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第99章 翔禾姫となずな
-三日後 瑠璃の海-
私は翔禾姫にお誘い頂き、浜辺に敷物を敷いて話をさせて頂いていた。
すぐ、傍では、雅若様と瑠璃様が砂山を造り競争されている。
とても幸せな時。
「五日間あっという間だったわ。なずな、明日帰ってしまうのね。寂しいわ」
「そうですね。私も寂しいです」
翔禾姫様と雅若様が、和智翔ノ国から旅立たれたと知った時の怖さ。焦燥感。
「でも、二度と逢えなくなる訳じゃないもの。潤兄上様と喧嘩したら瑠璃ノ島に来ると良いわ」
「うふふ。そういう使い方もあるのですね」
潤様と供に、翔禾姫様と雅若様の消息が分かった時に安堵して。
これから、和智翔ノ国を背負って立たれる潤様の不安なお気持ちが伝わって来て。 生涯お支えするのだ。と誓いつつ、私も不安でたまらなくて。
「 ごめんなさい。冗談が過ぎたわ。これからも和智翔ノ国と、瑠璃ノ島を お互いに行き来しましょう。なずな」
「はい。翔禾姫様。こうしてこれからの事を翔禾姫様とお話しさせ頂けて、不安な気持ちが少し和らぎましたわ」
思わず不安な心情を吐露してた。勝手に溢れてくる涙。翔禾姫様も泣いておられて。
「そうよね…… こちらに来てから自分の事ばかりに精一杯で……なずな。これからも逢えるけど、 あえて言うわ。今まで私と雅若様を支えてくれてありがとう。なずなが居てくれたから、時に辛くて悲しいと思う日々も頑張ってこられたの。なずなは、 自分の事より人の事を優先するような優しい子で 、一生懸命過ぎて…… 心が苦しくなって辛くなったら潤兄上様に甘えてね…… 頑張り過ぎないように。鈴兄上様と二人で助け合って、新しい和智翔ノ国を作り上げて行けば良いのだから」
そうよ。私だけが 不安な分けじゃないのよね。翔禾姫様も、外喜様との事で心身共に疲れているのに。 生まれながらにして、上に立つ者としての運命からは……瑠璃ノ島を治めて行く不安もおわりでしょうに。 私の事を気遣って下さる。お優しいのは翔禾姫様です。