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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第98章  愛されて幸せな翔禾姫


「私には、和智翔ノ国を治める櫻井家の者としての責任があります。この先は、この瑠璃ノ島を治める者としての人生を歩んで行く事に決めました」

 私と智殿と和也様の、三人の形や想いを伝え合い、確かめ合って安堵して。 もう一つ大切な事を伝えたのだけど。



 智殿も和也様も、返事とかの反応を示さなくて。

(え? どうしよう……)


「智も和也も、翔禾姫が瑠璃ノ島にて暮らして行くのなら、長として統治する事になるんだろうな。島民も望んでいるのを感じるし。そう思っているから反応が薄いのだよ」


(昨日の今日で…… この二日間で 感じ取ったというの?)


「翔禾姫は雅若様を担ぎ、再び野心を抱く者が現れるやもしれぬ事を強く懸念して。雅若と潤様の関係を壊してはならないと考えて、瑠璃ノ島に移住する事にしたのを和也様も智殿も分かっていますよ」


(確かに。和也様には言われたけれど……智殿も分かっていたのね)

「智殿も和也様も、何でもお見通しなのね。朝に海辺で貴方達と話した事を、お母上様とお父上様にお伝えした時に、私は瑠璃ノ島の統治を打診されたですけどね。知らぬは本人ばかりなり。智殿和也と様も本当に怖いわ…… いえ。漠然と感じてたのを。決めなくては。と思って悩んでいたのを、皆に背中を押してもらって。ようやく覚悟が決まりました。智殿と和也様とこの先の事を話す事で、怖くて、不安から逃げ出したいのを払拭したくて。 勇気が欲しくて。 どうぞ、この先も。怖さや不安から逃げ出したくなって、迷ったり悩んでしまう弱虫な私を支えて下ださいね。智殿、和也様」


 私は、頭を下げて智殿と和也様にお願いをしたの。

「はい。頭をお上げ下さい。翔禾姫」

「はい。頭をお上げ下さい。翔禾姫様」


私が頭を下げたから焦ってる。でも……二人が傍にいてくれたら、こんなに心強い事はないわ。


 改めて、お父上様がお造りになった『幸せの国』を。お母上様の暮らした『幸せの国』を。 お母上様を支えるために、和智翔ノ国より移住した島民達を。 愛して。守り。幸せにすると誓ったの。










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