Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第97章 翔禾姫から和也と智へ
「和也様。貴方には時に言い過ぎてしまう事がありますし、貴方も私をからかったりしますよね。和也様と私がこれまで築き上げて来た関係は心地良くて。二人だけの空気感があるわ。私が悩んでいたりすれば直ぐに察してくれて。的確な助言をくれる大切な貴方。 周りが見え過ぎて察するのは、時に心が疲れませんか? 吐き出したい時もあるでしょう? 私が心癒せる存在になりたいのです」
「翔禾姫様……」
和也様が、綺麗な涼しげな瞳を涙で揺らしている。
「智殿。貴方は一人の時間を大切になさっている方よね。そんな時でも、私は心癒されたくて貴方の傍に寄って。智殿は話ししなくても、ただ傍に居てくれたり。私の話を聞いてくれたり。穏やかな二人だけの空気感があるわ。貴方にも、心穏やかにいられない時だってあるでしょう? 思いを我慢して溜め込んで、疲れてしまう事もあるでしょう? 私が心癒せる存在になりたいのです」
「翔禾姫……」
智殿が、優しく綺麗な瞳を涙で揺らしている。
「私は、二人の手を離す事が出来ないのです。二人と一緒にいたいと願ってしまうんです。私は貴方方どちらかを選ぶ事など出来ません。 二人それぞれに心惹かれているから。私に真摯な想いを伝えて下ださった和也様と智殿からしたら、心癒せる存在になりたい。と言いながら自分勝手な事ばかり言う私を…… お二人の出した答えを私は受け止めますから……」
「お約束いたします。生涯、翔禾姫様の傍に居ると。お慕いしています。翔禾姫様」
「お約束いたします。生涯、翔禾姫のそばに居る事。お慕いしています。翔禾姫」
「「 約束したではありませんか?」」
同時にそう言われた和也様と智殿。
「 約束しました…… これが私と和也様と智殿の三人の形なのですね」
「はい翔禾姫」
「はい翔禾姫様」
「私には、和智翔ノ国を治める櫻井家の者としての責任があります。この先は、この瑠璃ノ島を治める者としての人生を歩んで行く事に決めました」