Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第97章 翔禾姫から和也と智へ
-客間-
自分の中で、許容範囲を超えた時、怖くなった時。逃げ出してしまう自分が嫌だ。
怖くても、不安でも。
この想いから逃げる訳にはいかないから……
「お母上様、お父上様。お忙しいのにお呼びだてしてすみません」
「大丈夫ですよ」
「暇にしていていた所だから、心配ないよ」
逃げ出すというより、大切な事を伝える時などに緊張して話せなくなってしまうの。
『傍で見守っていて下さいませんか?』
傍で見守っていて下されば、安心できるから。その想いを汲んで下さったお母上様とお父上様。
「和也様、智殿。この先の事について伝えたい事があります」
「「はい」」
私も、緊張しているけど。和也様と智殿の緊張感もヒシヒシと伝わって来る。
深呼吸して心落ち着かせて……
(大丈夫。心配ない……)