Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第17章 殿様の涙2
「殿様申し訳ございませんでした」
「和也。良いのだ。そなたの想いは分かるゆえ。そして……和也を。翔禾姫と雅若を守る為に動いてくれている勇《ゆう》深く感謝している」
「爽《そう》兄上……」
「勇。そなたなら、和智翔ノ国を動かす事も可能なのに……」
「六年前の出来事は見逃す事の出来ない事ゆえ。それに私の役目は翔禾姫様と雅若様の後見役であり、将来 翔禾姫様と雅若様を補佐していく事になる和也へ心得等を教えて行く事。爽兄上の補佐なのです」
(父上……)
「生意気言ってすみませんでした。 私が思っていた以上に殿様も父上も、翔禾姫様を……そして雅若様を思っていて下さった…… 私も守られていたのですね」
父上は、政治の表舞台に立つ事なく。一歩引いた所で動く事で、私が家臣同士の争いに巻き込まれないように守って下さっていたんだ。
「六年前の出来事を教え頂きたいのです」
*巳の刻《みのこく》=《午前十時~正午》