Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第96章 智と和也の心情
瑠璃の海の浜辺にて砂の城を造っている、雅若様と潤様。なずなに瑠璃殿を横目に物語を書いていた。
翔禾姫様が浜辺に……
(智殿の所に先に行った……)
少し……イヤ、かなり気持ちが落ちてしまって。
智殿と私の間に、雅若様達がいらしても視界には映って来る訳で。おまけに遊びながらも、潤様がこちらを気遣わしそうにしておられるし。なずなも。
幸い……なのか? 会話は聞こえない。
(集中して書くぞ)
『和也様? 何をしているの?』
瞬間、単純なんだな。私は。翔禾姫様が来て下さった事に気分が持ち直したんだから。
(後に、私の方が難しそうな顔をして、何かをしていたから 後にしたんだと聞いて。心の霧が少し晴れましたからね。丁度、外喜について記してたから顔が険しかったんでしょうね)
『はい。翔禾姫様との会話を記したら、 ずっとその事を忘れないし。見返して思い出す事が出来るじゃないですか』
『もう! 冗談は辞めて!』
呆れた表情されたり、凄い。と素直な気持ちを言って下さったり、表情をクルクルと変える翔禾姫様が愛しくて。
日記に翔禾姫様との会話を記したら、ずっと忘れずに。見返して思い出す事が出来る。冗談ではないのですがね。
ふと、会話が途切れた時に。
「和也様と、智殿にお話したい事があります」
そう、おっしゃられて。
お可哀相に、その顔色は青ざめ、緊張されているのが痛い程に伝わってきて。