Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第94章 三人の形
「翔禾姫は、和也様と智殿を好いているのね?」
お母上様の、真っ直ぐな問い掛け。何でか、お父上様と純梨の方にも聞かれるのが、恥ずかしい。とか思ってしまって。
「私は、翔菜の方も、純梨の方も愛している。端から見たら『何、綺麗事を』 そう言って、眉をひそめる人間も居るかもしれない。 しかし、それが私達の『三人の形』なのだから。私は、何も恥じる事は無い! と思っているんだ。翔禾姫」
「『三人の形』……」
怖いぐらいに、私が心の中で引っ掛かっていた事を。お父上様は、 自分に置き換えて話して下さって。
話を聞かれるのが恥ずかしい。そんな事を思った自分自身の愚かさに、恥ずかしくなったの。
「翔禾姫様。心の機微を他人に話す事は容易ではありませんし。なんとなく恥ずかしいな。そう感じるのもわかりますから。大丈夫ですよ」
「純梨の方様……」
私も思い悩んだ事のある事ですから大丈夫ですよ。 そうおっしゃっている気がして。
「 他人だからこそ、努力が必要だと思った。翔菜の方も、純梨の方も大切な女性なのだから。翔禾姫と雅若の事は翔菜の方とだけ。潤の事は純梨の方とだけで話し合うのではなく、三人で情報共有しようと決めて。そう確認し合ってても『私は大丈夫ですから。翔菜の方のお傍に。翔禾姫様と雅若様の為にも』『私は大丈夫ですから。純梨の方のお傍に。潤様となずなはこれから大変なのですから』そう言われてしまってね」
「 「申し訳ございませんでした。殿様」」
大げさに嘆く振りを しているお父上様に、 同じく、少し大げさに声を揃えて謝っている、お母上様に純梨の方様。
そんな事があったのね。とクスクス笑いながら。
「とても素敵な関係を築いていらっしゃるのですね。見ていると、とてもホンワカします」
そう言うと。