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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第94章 三人の形


*未の刻《ひつじのこく》(午後十四時頃)


 -翔菜の方の部屋-

「お母上様。今よろしいですか?」

『どうぞ』

 一人で考えても悩んでも答えが出なくて。お母上様に話を聞いて欲しくて。お部屋を訪ねたのだけど……

 -ガラリ-


(皆様お揃いで……)

 上座の席に。お母上様を真ん中にして。お父上様は右隣。純梨の方様は左隣に座っておられて。対するように、下座に雅若様と、その右隣に座る瑠璃ちゃまも居て……


「どうした?座るといい。翔禾姫」

 驚き過ぎて、障子開けたまま固まっていた私にお父上様が、おっしゃられて。

(良いのかしら?)

 と言うか。こんな皆が揃っている所で私は話をするの? と思ったんだけど……雅若様と瑠璃ちゃまの要件が気になってしまって、雅若様の左隣に座ってしまったの。

 好奇心に勝てなくて……


「わたしと ルリ は、けっこん します」

(え?)


「フ、フフフフ」

 お母上様は堪えきれないというように。

「アッハッハハハ!」
 おおっぴらにお父上様は大爆笑して。

「オホホホホ」

 純梨の方様も遠慮がちに。


 三人が笑ったのを見て。

「 わたしたちは ほんきです」

 と。雅若様が抗議してる。

「ごめんなさいね。雅若。瑠璃と仲良くね」

 お母上様の謝罪と、応援に雅若様は満足そうに頷くと。

「ショウひめさま それでは おさきに しつれいします」


 瑠璃ちゃまの手を取り、繋ぐと仲良く部屋を出て行ってしまって。


「驚きました。雅若様が将来について、あんなに真剣に考えているなんて」


 と言った瞬間。まだ、幼い雅若様と瑠璃ちゃまとの話の内容のちぐはぐさに思わず笑ってしまって 。でも小さくても真剣に告白したのだから。 笑ってしまった事を反省していたら。


「翔禾姫も、将来について思う事があってここへ来たのよね?」


 さすが、お母上様は気付いて下さってた。


「雅若は、真剣なんだ。もう。笑ったりしないよう気を付けねば」

「「そうですね」」

 お父上様も、分かっておられ。反省の弁にお母上様と純梨の方様も頷いて。



「え? 和也様と智殿が? 雅若様も……」

 お父上様に、和也様智殿と真剣に話し合いをした事。その席に雅若様もおられた事を聞かされたのだけど……














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