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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第90章 もう一度貴方と恋ができる



「ありがとう爽。本当に。私より私を知ってくれてる。爽には何でもお見通しで。ずっと一緒なら、 これから二人の事を知って行く楽しみもあるけれど……翔禾姫は 甘えられない性格なのでしょうね……」


「そうですね。翔禾姫は、翔菜姫様と翔希の方様と同じ。『弟を守らなくては』『和智翔ノ国を、櫻井家を背負って立つのだから』『長女だから』いつも凛としてねば。と。可哀相に甘える事が苦手な子です。ですから、こちらから話しやすいようにと、気に掛けて。気が付いてやる。事ですかね。雅若は天真爛漫に見えて、今日の事みたいに、物事を人を良く見ています。人の心の機微に聡く。『自分の知らない』新しい使用人や、人が近くと泣くような子でした。やはり甘える事が苦手ですね……可哀相な事をしました」

(ありのままを伝えよう)

 幼き頃より、色々な大人達の心の中を見て。信じて良い人間か、そうでないか……見極める能力を身に付けた翔禾姫と雅若……


「そんな雅若の、審査を突破した和也様と智殿は凄いのね。翔禾姫の気持ち優先ですけど。幸せを掴んて欲しいわ」


「確かに。雅若にお墨付きを貰った和也と智は信用出来ますね。幸せになりますよ」

 ここで、再び雅若の名言を 思い出してしまった翔菜の方爽。


「「アハハハハハ!」」


 思い切り大爆笑した後。

「何年振りに、こんなに大笑いしたかしら。幸せだわ」


 爽は微笑むと。


「私も幸せです。愛する翔菜姫と 、婚姻当初とは違う、 六年前から。再び築き上げてきた愛とは違う。 再び。違った形の恋が出来る事が幸せだ。って思ったんです。この先、翔菜姫様が幸せで過ごしていけるよう。たくさん笑顔にして差し上げますから」


「なっ、 爽 ! 良く恥ずかしげもなく、そんな言葉が言えますね!」

 真っ赤になって叫んだ翔菜の方を可愛いと思いながら。


「 恥ずかしくなんてありませんよ。愛しているから」


「……」

 翔菜の方は呆れつつ幸せだと思った。

 再び慕う人と再会出来た。

 再び愛しい子供達と再会出来た。

 再び大切な父母と、潤、純梨の方に再会出来た。

 再び信頼する人達と再会出来た。


(幸せだ…… もう一度爽と恋が出来る)


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