Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第90章 もう一度貴方と恋ができる
その日の夜 翔菜の方と爽
「「アハハハハハ!」」
爽が昼間の、雅若のようすについて翔菜の方に語っていた。
初めは"上品"に笑っていた翔菜の方だったけど……爽の止まらぬ大爆笑に、雅若のようすを想像したら……大爆笑していた。
「大真面目も大真面目なんです。雅若は(笑)」
そう言って、再び大爆笑する爽。
『はい。サトシは ショウひめさまを まかせられます けど カズナリ は わかりません』
『はい。カズナリも ショウひめさまを まかせられます けど サトシも どうなるの でしょう?』
笑い過ぎて涙まで出て来た翔菜の方は、目元を着物の袖にて拭いながら。
「鋭い所を突いてきましたね。雅若は……」
少し、口調の改まった翔菜の方の言葉に。
「和也も智も、生半可な覚悟で『翔禾姫を守り抜く』と言ったのではなく、二人共真摯な想いを吐露してくれましたしね」
爽の口調も改まって。
「雅若の成長を赤ん坊の時から見守りたかったわ。翔禾姫も可愛らしく成長して……」
(このような事を言っても詮無き事ですのに。爽を困らせるだけではないの)
一転して、瞳を潤ませて儚げなげな微笑みを浮かべた翔菜の方に。
「これからの時を、沢山過ごせますよ。ずっと一緒に。無理して笑わないで下さい。翔菜姫様。お泣き下さい」
爽は胸がギュっと苦しくなった。
(私が困るから。とかお考えなのでしょう? 翔菜姫様)
こんな風に『私が頑張らねば』『私さえ我慢すれば』思ってしまう、"上の子気質"は、翔菜の方と、翔禾姫そっくりだと爽は思うのだ。