Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第88章 爽から智へ
唐突な殿様の言葉に緊張して……けど、分かる。雅若からの……い抜くような強い視線を感じるんだけど……
「はい」
この想いは隠せない……正直に答えさせて頂く事にしたんだ。
「この瑠璃ノ島に付いてきたのは、翔禾姫を追いかけてであろう?」
「はい」
「正直でよろしい! 潤には、勇の妻の弟を付けるとするか。翔禾姫は瑠璃ノ島に行くと報告に来た際『智殿と和也様なら、潤兄上様を。和智翔ノ国を。民を。幸せにする為力を尽くしてくれます』と、申したのだがな……『私』を優先してばかり…… そう言っている側から……親バカを許してくれ。私は、翔禾姫と雅若の幸せを、心から願っているんだ。翔禾姫を心より思ってくれている智に。お願いしたい。翔禾姫をこれからも、支えてやって欲しい。よろしくお願いします」
涙と共に、私に頭を下された殿様……
「はい。 お誓い致します。この先も翔禾姫様を 支え守り抜くと」
「どうかな? 雅若。智は翔禾姫を任せるに足る男かな?」
先ほどの涙どこいったのだろう? どこか、面白そうに雅若に尋ねられた殿様。
「はい。サトシは ショウひめさまを まかせられます けど カズナリ は わかりません」
大真面目な雅若……
「ふ、ふふ……アハハハハ!」
殿様……大爆笑されている。
満足そうに笑っている雅若。
「智は、雅若のお眼鏡に叶ったようだぞ! 良かったな!」
殿様と雅若は、満足でしょうが……
和也様……か……
けど、翔禾姫への想いは諦められないのだから……