Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第87章 爽から潤となずなへ
「なずなは、その通りに育ったんだな。潤の名前の由来は『物心共に恵まれた人生』『人の心を潤し和ませる人』でね。 二人ならこれからの和智翔ノ国を託せる。 二人で力を合わせ、優しき心を失わずに、和智翔ノ国の民に愛を捧げ、 人の心を潤まし和ませ、愛される領主になって欲しい。頼みます」
お父上の想いを、しっかりと受け止めて頑張ろうと思った。なずなを受け入れて下さった事が嬉しかった。
「どうかな? 雅若。潤は、なずなに相応しい男かな?」
一転、砕けた口調で雅若に問いかけた、お父上に。
「はい。ジュン あにうえさま なら なずなを たいせつに すると しんじてます」
大真面目も大真面目の表情の雅若…… なんだけど。
面白すぎて笑いが止まらなくなってしまって。お父上は、 遠慮なしに大笑いしているし。
「雅若様。ありがとうございます。 いざという時は雅若様が、 駆けつけて下さるのですよね?」
あの手紙の文言を引用して、なずなは言ったのだろう。その表情はどこか嬉しそうで。
「はい。なずな ジュン あにうえ と しあわせに なってね」
一瞬驚いた表情して。
「はい。 潤様と幸せになります。雅若様」
涙に、瞳を潤ませたなずな。
「雅若。誓います。なずなを幸せにします」
私も真剣に、心からの誓いを、雅若とお父上の前にて約束したんだ。
それにしても、ふと、雅若の言葉と、態度を思い出してしまって……
「ふふふふ」
後はなし崩し。お父上も、なずなも。雅若まで、 面白くなってしまったのか。
「アハハハハハ!」
皆で、大団円に。 大笑いで、話し合いを終える事が出来たんだ。