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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第85章 爽から純梨の方へ


 爽の呼び掛けで、皆は、部屋の中央に集まると円を描くように座り。


「ふふ、雅若の幸せそうな顔」


 翔菜の方の膝枕にて、本格的に眠ってしまっている雅若に目を細める爽の言葉に、皆も雅若を見て、あまりの可愛らしさに笑みがこぼれた。

「翔菜の方に、純梨の方何を熱心に話されていたのですか?」


 爽の問いかけに、翔菜の方と、純梨の方は『うふふ』と 目を見交わせて笑うと。

「私、翔禾姫と雅若が生まれた時の名前の由来を話した日の光景を、鮮明に思い出しましたの」


「それで、潤の名前の由来は何ですか? と、いう話になりました」


「なるほど……潤は『物心共に恵まれた人生』『人の心を潤し和ませる人』と願いを込めて名付けたのですよね。懐かしいですね」

 爽も、その時の想いを思いだしていた。幸せで嬉しくて……感情の高ぶりを抑え切れずに興奮しながら話をしたな……と。


 翔禾姫が、微笑みながら、潤んでくる瞳をどうしようも出来ない自分を心配そうに見つめているのを感じて


「お父上様? どうされました?」

 労るように尋ねて来て。

(本当に翔禾姫は……)


 願い通り、人を和ませる子に成長してくれて。尚且つ、人の心の機敏に聡くて、優しく寄り添う良い子に育ってくれた……


 と、感慨にばかり浸っている時ではない。翔菜の方と純梨の方に伝えなくては……







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