Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第84章 爽の懺悔
翔菜姫急死…… その報に家臣団の動揺は激しかった。和智翔ノ国の民の嘆きは深かった……
事件に乗じて家を 乗っ取ろうと企む外喜に飲み込まれないよう、家臣団が二つに割れないよう。
櫻井家と、松本家の権力争いから翔菜姫は…… 噂を広めて 潰しに掛かろうてしてくるのに屈しないよう。
櫻井家、二宮家、松本家は 一致団結して踏ん張って来た。
爽は、翔菜姫と約束したのだ。成人するまでは何としても守り抜くと。外喜に、翔禾姫。雅若。潤を傷付けられてたまるものかと……
翔菜姫が、外喜に再び命が狙われて、万が一…… それだけは耐えられなかった。
存命である事を伏せてでも、守りたかった……
その為に。
『一族は結束して頑張っているのに、ただ一人、外喜に屈した殿様』
影で揶揄されても、 耐えて来られた。が……
その陰で、苦しい思いをして来た者達がいる……
爽は、 反対側にいる翔菜の方と、純梨の方の方に視線を向けて。
手を取り合って何かを話し合っている、翔菜の方と、純梨の方。
翔菜の方に膝枕されて、安心したように眠っている雅若。翔禾姫は微笑みながら雅若の髪の毛を優しく撫でていて。翔希の方に、なずなも微笑んでいる。
泣きたくなるような光景……
「潤、和也、智。翔菜の方と、純梨の方達も交えて、そなた達と話がしたい。一緒に良いか?」
「はい……父上」
「はい……殿様」
「はい……殿様」
翔菜の方に膝枕されて、安心したように眠っている雅若や、微笑みながら、雅若の髪の毛を優しく撫でている翔禾姫を見つめていた潤、和也、智は、神妙な面持ちで頷いた。