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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第84章 爽の懺悔


 感涙の再会より、ようやく落ち着きを取り戻しつつある中。居間の左下の片隅、下座の方にて。

 翔菜の方と、翔禾姫が話をしたり、雅若が甘えたりするのを、翔希の方。純梨の方が微笑みながら見守る優しい空気に包まれた中。


 対角線上の右側上座の隅では、爽。陽。潤。和也。智が話をしていた。早月はなずなと共に、皆にお茶を立てていた。

「家族四人が揃って、翔菜の方の記憶とかが、繋がった……」

 どこか寂しそうに呟いた爽に。お茶を配っていた早月が。

「殿。翔菜姫様は、貴方が瑠璃ノ島に来られた日はとても幸せそうでしたよ。あの時の後遺症でお可哀想に……記憶が曖昧になるようになられて。でも、今日までの貴方と島で話された事や、過ごした日々は翔菜姫様のお心に残っておられたから、家族四人で再会した瞬間繋がられたのだと……すみません、お話中に割り込みまして」

「ありがとう……」

 爽は、この六年間、翔菜の方を心身共に支えてくれた母に感謝していた。

 心優しい母。乳母という立場以上に愛でもって翔菜の方を慈しみ。愛し。守ってくれたであろう母……



「六年前、外喜を止められなかった……今回は慢心していたのだろう。穴だらけの策であったり、何より皆のおかげで大事には至らなかった……六年前は、事を起こした後の処理……翔菜の方に出したお茶や道具を騒ぎに乗じて処分したり。 自分の部下が口を割らないようにしていた。 何より、私が気を確かに持って、毅然とした態度で対処していれば……ここまで事が拗れなくて済んだのに」


 和也、智、潤は、爽が過去に懺悔し、涙する姿に心が痛かった。



「爽よ。あの頃、外喜には勢いがあった。同じ野心を抱く仲間をまとめる求心力もあった。兄上の幸《こう》、勇、二宮の家の者達 だけでは、もっと酷い状況になっていたと思う。大野家の基史殿の力は助かったし。松本家の。純梨の方のお父上の瑠喜《るき》殿も、家臣に諜報工作してくる外喜には、従がったりしないようにと手綱を締め続けてくれていた。事件の二月《ふたつき》前に、爽もお茶に細工されたりして体調崩していた……翔菜姫が目の前で倒れていた姿を間近に見たのだから……」



「お義父上様……」












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