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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第78章 永遠に終わらぬ苦しみを……


 -大野家-


「基史……こずえには、本当に申し訳ない事をしました。すみませんでした」


「殿様っ、どうか頭を上げて下さい」

 その日、一国の領主が一家臣の家を訪ねて来た事に、智の父である基史は驚いていた。



 六年前、娘のこずえの悲しき最後を迎えた時から、体調崩し寝たり起きたりを繰り返している基史。

「外喜を、流刑の地にて重労働を生涯。朝から晩まで休み無しにて働く刑に処しました。賃金を大野家へ全額当てさせます。 お金で解決など出来る事ではないと重々承知しています…… こずえは帰って来ないのですから……」


「こずえの未来を奪った罪を。こずえの無念、悲しみ……外喜には、 一瞬で楽になって欲しくないです。永遠に終わらない苦しみを味わせたい」

 爽 には、その気持ちが良く分かった。翔菜姫の無念、悲しみ…… 一瞬で楽になる方法なんて、与えたくはなかったから……


「基史。櫻井家の都合を優先し、こずえの事、事件についても、 門外不出箝口令を敷くなど。酷い対応をして申し訳なかった」

「和智翔ノ国の宝。楓菜様を桜王家も……詠史から聞きました。この数年、外喜を追い詰める為の証拠掴む為に動いていた事を。何もして来なかった訳じゃないないのですから……謝らないで下さい。それに。早々と諦めた私に代わって詠史が。こずえの敵を取ってくれました」



「基史。 体を治してまた……素晴らしい庭を造って欲しい。以前とは微妙に違うのだ。基史の手入れした庭とは。だから再び……な」

「ありがとうございます。殿様」


 愛する妻を。娘を…… 同じ悲しみを味わった……イヤ、 私以上に、悲しく、辛くて、苦しい思いをしてきた基史と、智。改めて外喜に対して。

 許せぬ想いが湧いて来て。


(外喜。栄華を極めた人間から、一生涯働く身に。どうだ? 悔しいか? お前の為に、何人も、何十人もが悔しい思いをして来たんだ。己のして来た事にきちんと向き合い、贖罪の為の人生を生きるがよい!)


 爽は、 涙が溢れるのを止められなかった……
























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