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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第79章 生涯一緒 新たなる人生


 -爽の部屋-


「さすがですわね。翔禾姫様も雅若様も。殿様の一から築き上げた地で、新たなる人生を歩まれるのですね」

「さすがと言うか、何と言うか……お転婆娘に。ヤンチャ坊主で……」

 儚い笑みを浮かべながら、どこか、寂しそうな表情をしている純梨の方に爽は。

(全く、私の宝物達は揃いも揃って、一途で思い込みも激しいし。困ったもんだ)

 そんな事を思いながら。

「外喜には、処分を下したし。私は『私』を優先した責を取り楽隠居の道を選ぶ事にした」

「はい……」

「けど、潤と、なずなには、きちんと継承して行くゆえ、心配しないように。それに、翔希の方様と大殿には、二人へのご教授をお願いした」


「ありがとうございます」

「翔禾姫と、雅若の様子も気になるゆえ、行ったり来たりの生活になると思う」

「はい」

 純梨の方は、爽の言葉を綺麗な大きな瞳に涙を浮かべて聞いている。

「 行き来すると言っているではないか。 落ち着いたら定住する。などとは言っていないぞ。私は、純梨の方も心から大切に思っているのだ」

「え?」

「 こちらに一人に残すなんてしない」

「殿様……」

(あぁ、涙を流して)

「まずは、三日後に一緒に様子を見に行こう 。潤となずなに全て任せられる時が来たら。一緒に旅にそこに行こう。生涯一緒だ。純梨の方 」

「爽様……」

「一途や、 思い込みが激しいのにも程があるぞ」


「はい。申し訳ありません」

 ふと、爽は思った。

(さて、皆で出掛けたら、には、誰も統治者が居なくなるぞ……勇に頼むか……)

 そう、決めると。これで向後の憂いも失くなった。そう考え安堵する爽だった。



『潤を見守り、なずなに色々と教えてあげて欲しい』

 爽に、そう言われて。 どこか気負っていた純梨の方
 だった。

 叔父上の事もあるし、殿様には嫌われても仕方ないと……思い悩んで……


『生涯一緒だ。純梨の方』

 その言葉が、純梨の方 は、嬉しくて。翔禾姫と雅若の行かれた場所には、 私に入る余地など無いと勝手に思い込んで。


(本当に、一途や、 思い込みが激しいのにも程がありますね)

 この先も爽様と一緒に居られる……純梨の方は幸せだった……


 
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