Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第77章 一生涯守るから、支えて欲しい
『なずなと共に、和智翔ノ国を。民を幸せに出来るよう、頑張って行きたい。なずな私の幸せは、なずなが傍に居てくれる事。私を支えてくれないか?』
私の心の中に、恐れ多くも潤様がいるのは、紛れもない事実。
潤様の決意の言葉に、 私を選ぶ為の優しき嘘があっても……幸せで。
幸せなのに。直ぐに、お言葉をお返しする事が出来なくて。
『愛している。傍にいて欲しい』
潤様を、 一方的にでもお慕いしている。 私のような者が…… それでも、想いがどんどん強くなって行くのは止められなくて……
『なずなは、私の事を……?』
どこか不安そうに尋ねられた潤様の気持ちが……幸せで。
『愛しています』
想いをお伝え出きた事が……幸せで。
「ジュン にいさま。なずなを なかせたら とんでいく」
「 脅迫だよな。これ」
「雅若様……」
雅若様が、 残して行かれたという手紙。
先程とは違う、幸せがこみ上げてきて。
「うふふ」
「 私の強敵は、和智翔ノ国でなく、民でなく、雅若だ」
潤様の、どこか、うんざりげっそりな呟きが面白くて。
「雅若が、 一回りも年下で良かったよ。なずな大好き若君め」
もう、 笑いが止まらなくなっちゃって。
(翔禾姫様。雅若様に幸多かれ……)
「 落ち着いたら二人で、翔禾姫と雅若に逢いに行こう」
「はい」
翔禾姫様と雅若様に想いを馳せると、涙が止まらなくなって。
今は、 冗談で気を紛らわせておられるけれど、 大きな責務を背負われた潤様の緊張が、痛い程伝わってきて……
(潤様を私なりの…… 内助の功でお支え致します)
心新たに誓ったの……