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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第77章  一生涯守るから、支えて欲しい


 -潤の部屋-

 なずな……

 翔禾姫と雅若の消息が分かった安堵……からだよな。私の前に座り、溢れて止まらぬ涙を必死に……

「なずな。私には素の感情を見せてくれ」

「……潤様?」

 翔禾姫と、お揃いの綺麗に刺繍を施した布で。涙拭っていたのだが、驚き過ぎたのか……動きを止めて私を見つめてきた、なずな。

「うん。私も安心した」

「はい……」

 先ほどの言葉に触れるでなく、かと言って、何かを言いたげな私に気付いていて、身体を強張らせて下を向いている、なずな。


「私に、翔禾姫の願いに応える器量があるだろうか?」

 可哀相に。泣き過ぎて、赤く泣きはらした瞳とまぶたで私を見つめ返して。

「潤様は、ノ国の民を、一番に考える素晴らしきご領主になられます」


「なずなの保証付きか」

「はい」

「私は、これまで苦しい思いをしてきた、翔禾姫と雅若に幸せになってもらいたい」

「はい」

「私も、幸せになりたい」

「はい」

 途切れた会話……私は。

「ふぅ」

 息を大きく吐き出して。

(あぁ、ドキドキする)

「なずなと共に、和智翔ノ国を。民を幸せに出来るよう、頑張って行きたい。なずな私の幸せは、なずなが傍に居てくれる事。私を支えてくれないか?」

 実際には時は止まってないけど、時が止まってる。怖い程の静寂。

 潤んでくる瞳にて、なずなを見つめれば、やはり潤んだ瞳で私を見つめ返している、なずな。

「愛している。なずな。傍にいて欲しい」

 バカだ私は。肝心な言葉を言わないで。

「私に、どこまで出来るか分かりませんが、潤様をお支えし、和智翔ノ国の民の為に尽力する事を。お誓い致します」

 凛とした瞳にて、 言葉を返してくれたなずな。

「 ありがとうなずな。 必ず幸せにする。一生涯守るから」

 その瞬間、なずなが大号泣して。 私はなずなを抱きしめると同じく大号泣して。

「なずなは、私の事を……?」

「愛しています」

 不安からそう尋ねと。 真っ赤に頬を染め、ちっちゃな声で答えてくれた。


 なずなが愛おしい……

















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