Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第76章 瑠璃色の海
爽の、一瞬の 心の揺れを見逃さなかった勇。
勇がいたからこそ、櫻井家はここまで無事に来れたといっても過言ではなく……爽は、勇には感謝しかなくて。
「爽。私と陽は、和智翔ノ国を。心から愛する人物が治める事が大切と思っています。 皆で、様々な意見を出し合い、1番良い方法を見つけましょう」
翔希の方の言葉に、深く頷く陽。
和智翔ノ国の未来の為なら、古きものに捕らわれる事なく、新しき事も受け入れて行こうとする。翔希の方の覚悟や想いに、爽は、 自分の最後の勤めをきちんと果たそうと思うのだった。
翔禾姫と、雅若を想い涙しているなずなを慰めながら、どこか悲しげな表情の、純梨の方。 爽は、 自分の思いをきっちりと伝えねばと思った。
そして……
「私達に、これからの事を、さりげなく示唆していなくなった翔禾姫様に」
「翔禾姫の期待には応えたい所ですが。私達のこれからは、決まっておりますよね」
──
「綺麗ですね」
翔禾姫は、砂浜に敷物を敷いて座り、刺し子を始めた女性の近くに寄ると。そう、声をを掛けて。女性の手元を見つめる。
「さくらの ハナです。シヨウひめさま キレイね!」
その美しい作品に感嘆の声を上げる雅若。
雅若の言葉に、女性がピクッ 肩を揺らして、翔禾姫と雅若をその綺麗な大きな瞳で見つめて来て。
翔禾姫も、女性をを見つめ返し。綺麗な大きな瞳に、みるみる涙を瞳に浮かべて。雅若も翔禾姫を見て、何かを確信したように。女性を見つめると、綺麗な大きな瞳に、みるみる涙を浮かべて。
その様子を見つめていた女性の近くに控えていた、女性の瞳にも涙が溢れていた……