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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第76章 瑠璃色の海


 目の前に広がる鮮やかな美しい青色の海。

 瑠璃色の海。



「ショウ ひめ さま キレイね!」

「本当に……」


 翔禾姫は、雅若と手を繋ぎ、眼前に広がる美しく瑠璃色に輝く海を見つめながら。

「泣きたくなる美しさね」

 心は幸せで泣いているのにナゼ? 


 翔禾姫は、視線を右側に。反物を敷物にして、白い砂浜に敷いて座る女性に目を向けて。

 三十代半ば……イヤ、二十代にも見える、美しき女性。

 瑠璃色の海を見つめている。後ろには、女性を見守るように。守るように。五十代前半位
の女性が控えて立っていた……

 ──

 -和智翔ノ国-


 その朝、翔禾姫と雅若が揃って桜城より姿を消したにも関わらず、騒ぎにならず一見して"変わらぬ朝"を迎えていた。


なぜなら、翔禾姫よりの手紙を枕元にて見つけた、和也が、智が、潤が、なずなが、純梨の方が、翔希の方が、陽が。状況を判断出来ず、大騒ぎする気力もない、茫然自失に陥っていたから。



 爽の部屋に来るように使いが来て、集まった顔ぶれを見た時にようやく事の重大さに(心の中で)慌てふためいてた。

 のだが。


「私が、翔禾姫と雅若の願いを認めたのです」


 爽の告白に、皆、安堵して。

「爽。翔禾姫と雅若は、かの約束の地にいるのですね?」

「はい。お義母上様」


 和智翔ノ国の『公』としての爽ではなく『私』としての爽として、答えた爽に、陽は。瞳を潤ませ確認したの翔希の方の背中を優しくさすりながら。


「かの地で、そなたの……目指した物が実を結び、翔禾姫と雅若は幸せになれると……すると誓うのだな」

「はい。お義父上様」


「殿様。私に、翔禾姫と雅若の願いに応える為の考える時を下さいませんか?」


 爽は、翔禾姫と雅若の決断を尊重してあげたかった。と、同時にもう一人の大切な息子の、潤の気持ちも尊重し後悔をするような決断をしては欲しくなかった。


「潤……あぁ、良く考えて……」


(そうだよな。潤にだけ責務を負わすなど……決断遺憾によっては私も……)


「爽兄上、私の存在をお忘れか? 私は、爽兄上の想いを受け止めて、私の役割を生きて来た。爽兄上の望む生き方をして頂きたい」

「勇……」


 














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