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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第73章 上手な翔禾姫2


 -翔禾姫の部屋の隣 控えの間-

「ごめんなさいね和也様。呼び出したりして」

「いえ。仕事も終わりましたしお気になさらないで下さい。雅若様は、一見、見た目にはお元気に見えますが、ご心配ですよね」


 あの決着の日以来、憂いを帯びた表情をされている翔禾姫様。


 雅若様も、翔禾姫様が意識を失われた日は泣かれたりと情緒不安定気味にらなられ、舌足らずな話し方をされていて。潤様や、智殿、私も。もちろん、殿様、純梨の方様、なずな殿や、ゆずな殿も心配していた。


「本当に……和也様と来たら智殿とは違う鋭さよね……」


 鋭いには、呆れや、参ったわね。色々な意味が含まれているようだけど。智殿と違う。の言葉に、少しイラッとしてしまった……


「雅若様には、ご自分の部屋にて持女達と過ごして頂いてます。私が近くにいない事で不安になられたりしたらと心配……いえ、私が雅若様より離れられないから、控えの間での話をお願いしたのよ」

「はい。分かっております」


「賢い子ですからね。私に心配掛けまいとか、色々と……元気に振る舞っているのよね。あの子は」

「そうですね……」


「和也様には。ごまかしは効かないのよね。貴方が護衛として私と、雅若様様を守って下さったおかげで今日《こんにち》まで無事に生きて来られました。ありがとう。外喜が失脚して、ようやくあるべき姿の、櫻井家に戻る時が来たのです。この先、櫻井家を背負って行く潤兄上様の……私と雅若様を裏からだけでなく、表の仕事でも支えて助けて欲しいのです」


(やはりだ……私は。智殿も気が付いておられるのだが。翔禾姫様は、櫻井家の事を鈴様に任せたいと思われているのですか翔禾姫様?)

「新たに力を尽くす場を頂けましたら頑張せて頂きますが……翔禾姫様は、どうされるおつもりですか?」

 まどろっこしく、グダグダと考えても、答えが出ないし、不安なら……ズバリと聞く事にしたんだ。

(……)

 翔禾姫様は、大きな瞳にて私をジっと見つめて来られて。







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