Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第67章 対峙
「 ご自分の胸に手を当てて、良く考えてご覧なさいませ。 その身勝手な欲望の為に、知らず知らずの内に巻き込まれた者の悲しみ。否を言わせぬ圧力でもって、命を受け、欲望の片棒を担がされた者の苦しみが分りますか?……上に立つ者として『私』を優先するなどあり得ない事です。叔父上様の為なら。と、純粋な忠誠心を誓っているのは何人いるかしらね?」
「己!黙って聞いていれば! こんな真似して許さぬぞ!」
純梨の方の言葉に、顔を真っ赤にして激昂している外喜。
(相手の気持ちを無視して、人を不幸にしてまで手に入れた権力に何の意味があるの?)
それを確かめるべく、私も外喜に対峙しようと部屋に入ろうと思った時、視界に映ったのは……
(お父上様?)
それは、お父上様で。
私に任せてくれ。と言うように。
小さく頷かれたお父上様……
私も小さく頷き返して……
和也様、智殿、潤兄上様、なずなも。お願い致します。と頭をさげている。
「外喜よ!許されぬ事をしたのはそなたの方だ!」
お父上様は、そう叫びながら。
外喜と対峙する為、部屋の中に入って行かれたの