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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第64章 純梨の方の戦い


 部屋の襖を少し開けて、様子を伺うと。翔禾姫様は部屋に入った瞬間、部屋の物の位置関係を確認しておられ。雅若様は、上座と下座の座布団の配置を変えておられる。

 思わず笑みがこぼれてしまう。

 と、前方に人の気配……曲がり角を曲がって来たら鉢合わせしてしまう! 部屋の前の物置部屋? に素早く入り込んで

(間に合った……)


 叔父が部屋に入ったのを確認して。再び襖の前に張り付いて。

 遅れて来た叔父の悔しそうな顔……

(仕方ないわよね。常識を知らない人間に上に立つような力が与えられるはずがないもの)

 そんな事を思ったの。

 ゆずなとおゆりが、必死にお茶の葉と、お湯を……


(どうか気付かれませんように……)

 祈って。

 叔父の前に置かれたお茶と、饅頭。



『外喜様。ご一緒に頂きませんか?』

『い、いや、私は今は』

 叔父の反応を確かめている翔禾姫様に、焦っている叔父。

(叔父上様、それでは何もしてなくても疑われるわよ?)

 当然だけど、和也様、智殿、潤にも、私の存在が。翔禾姫様に、雅若様にまで悟られたみたいね。


(どうか、私の存在を気にする事なく動いてちょうだい!)


 そう、念を送った瞬間……


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