第5章 嬉しい出会い
木立:
「だからこんなにスクスク育ってた訳だ」
はい。
と "クローン" を俺に返しながら木立さんは言った
木立:
「本当に仲が良いんですね、
これも "メンバー愛" ってヤツですか?」
木立さんはお道化てみせた。
「いやー、多分、大野の
"気紛れ” ってヤツじゃないですか?」
また、嘘をついた。
木立:
「では、これで失礼します。
また何かあれば、いつでもご連絡下さい。
でも、その "トリセツ" が あれば
大丈夫ですね?」
西野カナかよ…
「いやー、それはどうかな?
『自分、不器用ですから』」
木立:
「 "ケン・タカクラ" ですか?(笑)」
「分かりました?」
木立:
「世代ですから(笑)、では、これで」
「あ!お代!!!」
木立:
「 "初回分" は大野さんから頂いているので」
「………」
木立:
「では、失礼します。
そろそろ次のお客様の所へ」
「すみません。足止めしちゃって…
本当にありがとうございました」
木立さんは大きな台車と共に、手を振りながら
エレベーターホールへ消えて行った。