第3章 蝶屋敷
蝶屋敷の最も中心に位置する一室、機能回復訓練室に蝶屋敷内殆どの人が集まっていた。中には偶々蝶屋敷に寄っていた隠の姿もある。
静かな空間の中、神楽鈴の音が響く。
顔を赤く染める人や食い入る様に魅入る人々の視線が部屋の中心で祈祷を行う深聡に注がれる。
ひと時の間ではあるが、皆心や身体の傷を癒した。
「胡蝶様。先程お借りした部屋で片付けを行わせていただいてよろしいでしょうか?」
祈祷を終えた深聡がカナエに尋ねる。
「…っ!ええ!自由に使ってもらって構わないわ!」
ぼんやりとしていたカナエだが、深聡の声に我に帰った。
「ありがとうございます。片付けが終わり次第結界を張らせていただきますので、ここでお待ちいただいてよろしいでしょうか?」
「もちろんよ!急がなくていいので気にしないで!」
深聡は軽く会釈をすると回復機能訓練室を後にした。
その後を千聡も続き部屋を後にした。
「皆さん!ご足労ありがとうございました!病室でお休み下さい!」
アオイの声に惚けていた人々は動きはじめた。