第2章 柱合会議
「おいおい!不死川も派手に「先に行くぞォー」
宇髄の言葉に被す様に実弥は言うと駆け出した。
「不死川様。先に行ってしまって大丈夫なんでしょうか?」
「場所は俺が知ってる。心配するなァ。」
「そうですか…。」
実弥が駆け抜けることで起こる風が実弥と深聡の頬を撫でる。
「お守りィ…ありがとなァ。」
小さな声で実弥が礼を言った。
深聡は実弥の言葉に実弥の方を向いた。
「お守り…持っていただいているのですね。」
「お守りなんて捨てるとバチが当たるだろォ。」
「ふふふっ。捨て置いただけでは、バチは当たりませんよ。ですが、身につけていただいている様でうれしいです。」
実弥の隊服の内ポケットにお守りの紐が見えて深聡は、嬉しそうに笑った。
「不死川様。」
「どォしたァ?」
深聡の、真剣な声に実弥は深聡の方を向いた。
「昨夜は、ありがとうございました。不死川様があの時来ていただけなければ、あそこで息絶えていたでしょう。」
「……。」
「また、千聡に会わせていただき本当に、ありがとうございました。」
「鬼を斬ることが、俺たちの仕事だァ。礼を言われることじゃねェ。」
「………。」
「…まァ。あんたを、妹に会わせることが出来てよかったァ。」
実弥はいつもの険しい顔ではなく、穏やかに笑った。