第2章 柱合会議
深聡と千聡は再び外套を羽織り産屋敷邸に来た時の姿になっていた。
「胡蝶様、冨岡様。お待たせいたしました。」
柱たちが見送りをしてくれる様で産屋敷邸の前に集まっていた。
鬼殺隊と協力関係となったため、目隠しをせずに蝶屋敷まで行くこととなり、動きやすい様に深聡は身支度をした。
「冨岡様。千聡をよろしくお願いいたします。」
「わかった。」
そう言うと義勇は千聡を抱き上げた。
義勇の抱き上げ方に柱たちは驚く。
「おいおい、冨岡!横抱きとは派手だな!」
そんな義勇を宇髄がひやかす。
そんな宇髄を義勇はいつもの何を考えているか分からない表情で見つめる。
(行きも横抱きで千聡を運んでいたので、不死川様は声を上げたのですね…。)
行きの出発の際に目隠しをしていたので分からなかったが、実弥が声を上げた理由が今わかった。
(千聡は、嫌悪を抱いている様ではありませんね…。)
深聡は千聡と義勇の様子をじっと観察し、千聡が特に嫌がっている様子ではなかったので、声を上げることはしなかった。
(さて、私も走るっ!?)
深聡は突然の浮遊感に咄嗟に近くの何かに掴まった。
「と、突然なにを…
不死川様!」
突然の浮遊感の正体は実弥が、深聡を横抱きにしたのが原因だった。
「アンタは俺が運んでやらァ…。」
「私は自分で向かえますよ。」
実弥も深聡を横抱きし、深聡は咄嗟に実弥の首にしがみついた。
「俺が運んだ方が蝶屋敷に早く着く。さっさと祈祷を終わらせねェと帰るのが遅くなる。」
実弥は明後日の方向を向いてぶっきらぼうに言った。
「ですが…。…おぶっていただいた方が運びやすいのでは?」
「ハッ!行きみたいに手が真っ白になるまで握られても困るからなァ。」
「それは…!……お気遣いありがとうございます。」
からかっている様な口調だが、実弥の気遣いだと気づき深聡はお礼を言った。