第1章 1章 崩壊そして邂逅
「姉様!」
狐邑神社の本殿を開けると、義勇の羽織を肩にかけた千聡が深聡に飛び付いてきた。
「おっと…。」
千聡が飛びついて来た衝撃で後ろに倒れそうになる深聡の背中に実弥は手を当て支えた。
「ありがとうございます。」
深聡は実弥に礼を言うと千聡を抱きしめた。
「姉様!ご無事で何よりです!!」
「心配をおかけしました。千聡は怪我をしてはいませんか?」
深聡は優しく千聡の頭を撫でる。
「はい。怪我はありません。」
「不死川。」
「!!」
姉妹の様子を見ながらかつての記憶を思い出し感傷的になっている所、義勇に声をかけられ実弥の肩が跳ねた。
「冨岡ァ、てめぇなんで側にいねぇんだァ?」
姉妹に配慮し、音量を抑えて義勇に問い詰める。
「本殿の前で見張りをしていた。」
「普通は側で護ってやるもんだろォ。」
「俺は(未婚の娘の肌を見るような)甲斐性なしでは無いからな。」
いつもの言葉足らずな義勇の物言いに、実弥の青筋が浮き上がる。
「御館様に連絡をした。」
実弥は声を上げそうになったが、御館様という単語が義勇の口から出てきて、グッと怒りを飲み込んだ。
義勇と実弥は静かに本殿から出た。