第1章 1章 崩壊そして邂逅
「異形の者がどんどんこちらに集まって来ています。」
「っ!確かに…かなりの数ですね。」
深聡はおもむろに足を止めた。
「姉様?」
「千聡。先に行きなさい。私が時間を稼ぎます。」
「お姉様!危険すぎます!」
「時間がないのです。継ぎ目を見つけてすぐに狐邑神社へ向かい本殿の地下へ行くのです。すぐに迎えに行きますから。」
「姉様!!」
「千聡!!聞き分けなさい!!」
今までどんな時も優しかった姉がはじめて千聡に声を荒げた。
「っ!……分かりました。」
千聡は苦虫を潰したような表情で渋々頷いた。
「私の我儘を聞いてくれてありがとうございます。」
そう言って優しく微笑むと千聡の頭を撫でた。
そして深聡は瓶の中に入った液体を千聡にかけた。
「姉様。これは……。」
「藤の花の匂いです。どうやら異形の者はこの匂いを嫌うようです。では、行きなさい!」
深聡は狐邑神社とは反対方向に走り出した。