第1章 1章 崩壊そして邂逅
(流石に私1人では結界が保てません!どうすれば…!)
深聡が最善策を打ち出そうと考えていると、1つの式神が飛んできた。
「ここまでくると結界の張り直しは不可能です!今すぐ千聡を連れて逃げなさい!」
式神が伝えた言葉は母の切羽詰まった言葉だった。
「!!」
母の言葉に深聡は結界を張り直すことを諦め急いで千聡の元へ向かった。
狐邑神社から玉依神社までは実際にはかなりの距離があるのだが、玉依一族または玉依一族に認められた者は霊道が現れ簡単に行き来ができるようになっている。
深聡は祈祷中の玉依神社の本殿に入っていった。
玉依神社は湖の上にあることもあり、本殿内は湖の水が張られている。
その中央に千聡はいた。
巫女装束を纏い湖の水に身体をつけ、祈祷をしていた。
「千聡。……祈祷を中断し、ここを離れます。」
「姉様。……分かりました。」
千聡は全てが視えていたかのように冷静に答えた。
「姉様。何処へ向かわれるのですか?」
「まずは、身を隠しましょう。狐邑神社の本殿は今異形の者が入らない様にしていますからそこで日が登るのを待ちます。」
「分かりました。玉依神社はどうしますか?」
「明日になれば閉ざされ、浄化されますのでこのまま出ましょう。」
「はい!」
深聡と千聡は念のため玉依神社の裏手から出た。
霊道は玉依神社の表と狐邑神社の裏で繋がっている。
そのため狐邑神社に辿り着くには、霊道の繋ぎ目から入るか、そのまま実際の距離を歩く必要があった。
「まずは霊道の繋ぎ目を探しましょう。」
「はい。」
霊道の繋ぎ目は日々変わるそのため深聡たちでも場所の把握はできていない。
「千聡。私が誘導しますので、足元に意識を集中して下さい。」
深聡は千聡の手を引いて歩き出した。