第1章 1章 崩壊そして邂逅
「私たちも精一杯結界を保つから千聡ちゃんは祈祷をよろしくね。深聡ちゃんは無理しすぎないで…。」
そう言って深聡と千聡の頭を撫でて鴉取神社へ向かった。
「深聡、千聡。」
「「母様。」」
「貴女達は最も重要な役割が割り当てられています。それは単に貴女達が1番先祖返りが強いからです。必ず先祖から受け継がれている物を護り抜きなさい。……たとえ結界が破られても…。」
「母様!その様なことおっしゃらないで下さい!」
深聡は不穏な言葉に声をあげは。
「深聡。例えばの話しです。落ち着きなさい。」
「っ!申し訳ございません!」
「では、私たちも行きます。」
そう言って母は犬戒神社へと足を向けた。
「………必ず生き残りなさい。」
「母様…。」
とても小さい声だが、確かに深聡と千聡に届いた。
いつもは厳しい母だが、今の言葉は母親としての言葉だった。
「千聡…。」
「はい。お姉様。」
深聡と千聡は向き合う。
「私が、絶対に千聡のいる玉依神社には異形の者を入れませんから……。」
そう言って千聡の手をしっかりと握った。
「はい。お姉様を信じております。けれど無理はなさらないで下さいね。姉様は無理しすぎることがありますから…。」
「約束は出来ませんが、千聡からの言葉は心に留めておきますね。」
そう言うと深聡は狐邑神社へ向かって歩き出した。